「あの…以前助けていただいた、鶴、いや亀、じゃなくてdozumonoです…」
奥の調理場から目をキョトンとさせて女性が近づいてくる。
「あ〜!!」
あの時と何も変わらない笑顔、というのは嘘で
お互い顔は憶えていなかったんだけど…
兎に角、逢えたぜ。
ママは「時間があるなら、内子の町でもみておいで」と、
あの時もそう言ってくれた。
カップ麺のお湯を…と、立ち寄ったボロ雑巾の僕に、
「お風呂に入って、少し休んだら町並みを楽しんで、良い所よ」って。
先を急いでいたボロ雑巾は、お湯を頂戴してサヨナラを啜ったっけな…
てな訳でゆるりと散策。
この町を今日の根城とするならば、もっともっと歩きたかったけど、まだ陽は高い。
くるっと廻ってかつ盛に戻った。
「今度こそゆっくり遊びにおいで」ママはそう言ってお土産を持たせてくれた。
あの時と同じ「丸寿し」の味は、今回も込み上げてくるものの所為でぼやけた…